スティングレイベースの特徴、音作りと専門家おすすめモデル4選

ミュージックマンスティングレイの歴史や特徴、ミュージックマンが製造するスターリンやボンゴなどのモデル、傘下ブランドであるスターリンの廉価版スティングレイについて紹介。初心者から上級者まで、カテゴリー別におすすめのモデルを掲載。

スティングレイを開発したミュージックマンってどんなメーカー?

ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん

フェンダーの創始者レオ・フェンダーが72年に創業

ERNiE BALL MUSIC MAN HD 130
みなさんご存知のNo.1ベースメーカー、フェンダーの創始者がフェンダーの後、1972年にアメリカ国内で立ち上げたのがミュージックマンです。ミュージックマンといえばスティングレイというベースの名機のイメージが強いと思いますが、最初に開発した製品は「HD130」などのアンプで、ギターやベースはそのあとに開発されています。

スティングレイが登場したのは1976年のことで、それ以来、実に半世紀近くが経過した現在もほとんど変わらぬ姿のままミュージシャンたちに愛され続けており、トニー・レヴィン、ピノ・パラディーノ、フリーなどの名ベースプレイヤー達による数々の名演を彩ってきました。

スティングレイの特徴

Musicman Stingray 4 EX
スティングレイの特徴はプレシジョンベースのような左右対称ボディ、リアよりに1基配された大きいポールピースを持ったハムバッキングピックアップ、そしてF1カーのように馬力のあるオリジナルプリアンプです。

基本的にはプレシジョンベースのシェイプを受け継いでおり、ボディはもちろん、ナット幅が広くとられた肉厚のネックのフィーリングも似通ったものになっています。ただし、コントロールはピックガードマウントではなく、メタルプレートマウントになっており、さながらジャズベースのような印象も受けます。

スティングレイの音の特徴

出典:You TubeThe Ernie Ball Music Man Stingray Special Bass - Tony Levin Demo & Discussion
スティングレイのピックアップはハムバッキングピックアップですが、一般的なものとはワイヤリングが異なります。通常は直列でワイヤリングされるところを並列でワイヤリング。これはジャズベースのピックアップのワイヤリングと同様で、レンジの広さと切れ味の鋭さが特徴です。

それに加え、効きの良いイコライザーが搭載されているためにワイドレンジなシャープさとパワフルさを併せ持ったサウンドに仕上がっています。フェンダーのウォームでナチュラルなサウンドとは方向性の異なる派手な音色が特徴的ですね。

ミュージックマンベース、3つの代表モデル

スティングレイ

ミュージックマンの代名詞、スティングレイ。一言にスティングレイといっても5弦タイプやプリアンプが異なるタイプ、スルーネックジョイントを採用したタイプなどいくつかのバリエーションが存在します。5弦モデルについてはボディシェイプが若干異なり、3次元的なカットが施されてよりモダンな印象があります。

ミュージックマンには他にもいくつかのラインナップがありますが、それらはスティングレイをベースにして発展させたものと考えて間違いないでしょう。
ミュージックマンのスティングレイ

スターリン

スターリンはスティングレイに比べて細めのスリムなネック、ひとまわりコンパクトにシェイピングされたボディをもち、より取り回しに優れたモデルです。

エレクトロニクスにも手が入っており、最も特徴的なのは3wayのスライドスイッチ。ハムバッキングピックアップのワイヤリングをシリーズ、パラレル、シングルと切り替えてサウンドの方向性を瞬時に切り替えられます。

シングル時にはハムキャンセル用のファントムピックアップが作動し、弱点であるノイズの対策が施されています。
ミュージックマンのスターリン

ボンゴ

DREAM THEATERのJOHN MYUNGの使用により一気に人気が爆発したのがボンゴです。人間工学に基づいてシェイピングされたボディ、新世代のマグネットであるネオジウムをマテリアルとして採用した新開発のピックアップ、強力な3バンドイコライザーを搭載。

ボディ同様に滑らかなシェイピングが施されたヘッドには独自開発の軽量ペグが取り付けられ、細部までのこだわりを感じます。より高いプレイヤビリティやモダンなサウンドを求めるならばボンゴも十分に選択肢に入るでしょう。
ミュージックマンのボンゴ

スティングレイの音作りのコツは「アクティブサーキットをうまく活用する」こと

サウンドの大元はもちろん弦振動であり、それを生み出す弦とあなたの指です。その点はベーシストが常に追及するポイントとして、スティングレイの音作りのコツはアクティブサーキットを使いこなせるか否かにかかっているでしょう。

ピックアップがリアよりにレイアウトされているために、プレシジョンベースやジャズベースよりも腰高なサウンドが基本的なサウンドです。その腰高なサウンドを落ち着けるために低音域をコントロールし、主張の強さ、音色の激しさを調整するのに高音域を調整してください。

通常であれば積極的なイコライジングはあまり好まれないものかもしれませんが、スティングレイに限っては積極的なイコライジングこそが音作りの鍵になってくるでしょう。

スティングレイのようなアクティブサーキットは「電池」駆動であることに注意

パッシブベースと異なり、アクティブベースはサーキットに電源として、電池が使われます。スティングレイは電池を必要とするアクティブサーキットを搭載したアクティブベースです。そのため音を出すには基本的に電池が必要だということを覚えておきましょう。当然電池が切れたら音は出なくなってしまいます。電池が切れてくるとサウンドに歪みが生じ始め、だんだんと音量が小さくなっていきます。

サウンドが歪んだ時には故障ではなくまず電池の減りを疑いましょう。アクティブサーキットは多くの場合、ボディのジャックにシールドを挿すことで電源が入り、挿したままにしていると電池は消費していくので、演奏しない時にはシールドを抜いておくことが必要です。

初心者におすすめするミュージックマンのベース

Sterling by Music Man S.U.B. SERIES Ray4 Walnut

ミュージックマン傘下ブランドであるスターリンより発売されているSUBシリーズのRay4がこちらです。本来スティングレイのネックは幅広のものですが、本商品はビギナーに向けたもののためにナット幅を38mmと狭めに設定。これにより初めてのベースとして手に取っても取り回しの良さを体感できます。

本家同様に、6点止めの強固なジョイントや、簡単にロッドにアクセスできるイージーアクセストラスロッドアジャスターを採用。もちろんハムバッキングスタイルのピックアップとイコライザーは装備しています。

Sterling by Music Man S.U.B. SERIES Ray4 Walnut

STERLING by Musicman RAY34/R HB

前述のものと同様にスターリンから発売されるRAY34がこちら。ミュージックマンスティングレイと同様にアッシュボディを採用。シースルーのフィニッシュの場合には美しいアッシュの木目を楽しむことができます。

頑丈で正確なイントネーションを得られるミュージックマンデザインのブリッジやハイグレードなウッドマテリアルを搭載し、本家スティングレイに限りなく近いクオリティをもったモデルです。

サウンドの要となるアルニコマグネットのピックアップや3バンドイコライザーももちろん搭載。

STERLING by Musicman RAY34/R HB スティングレイ ベース (スターリン)

中級者以上におすすめするミュージックマンのベース!

MUSICMAN STINGRAY4

本家スティングレイ。ナチュラルカラーでフィニッシュされたアッシュボディ、メイプルネックにメイプル指板、全体がナチュラルカラーのために木目の美しさを十分に堪能できるいちばん人気のカラーです。

オイルフィニッシュのネックはすべすべとした肌触りでプレイヤビリティにも大きな好影響を与えています。ただし、塗膜自体はないため、手垢などの汚れはつきやすく黒ずみやすい性質も持っています。

この部分のケアにはオレンジオイルなどの油性のものよりもアルコール系のクリーナーの方が優れているでしょう。

MUSICMAN STINGRAY4 ナチュラル スティングレイ ベース (ミュージックマン)

ERNIE BALL MUSIC MAN Classic StingRay

MUSICMANはERNIE BALLに買収され、現在ではERNIE BALL MUSICMANというブランドとして販売されています。本商品はそのような買収や、仕様の変更が起こる前の開発当初のスティングレイをリイシューしたモデルです。

現在ではプレイヤビリティの向上のために行われているコンターカットはなし。イコライザーは2バンドでジャックはボディトップに配されています。また弦は裏通しで張られているためにサウンドの方向性は大きく異なります。

ちなみに5弦のclassicはシェイプやコントロールが4弦と同様のため、ルックスを変えずに5弦サウンドを手に入れたいプレイヤーにはおすすめです。

ERNiE BALL MUSIC MAN Classic StingRay (Black/Rosewood)

ベースに入れる電池はこれがおすすめ

デュラセル プロセル 9V電池

アクティブサーキットはほとんどの場合9Vバッテリーで動作します。9Vバッテリーとして、音楽業界で定番なのがこちらのデュラセルです。デュラセル製の9Vバッテリーはサイズがほんの少し小さく、その僅かな違いでバッテリーボックスに入る入らないが別れることが稀にあります。

また、実は9Vバッテリーの電圧は9Vではありません。実際には9.8~10V程度入っており、使用するにつれて電圧が下がっていきます。9Vを切ると十分な電力が得られないために、回路は適切な動作をしません。バッテリーの減りに気を使うことはアクティブベースを使う上での鉄則です。

【DURACELL】PROCELL デュラセル プロセル 9V電池 エフェクター/楽器用アルカリ電池 2個セット DP-9V-2pcs

安価にスティングレイを欲しい人は中古の「EX」を探すのもおすすめ

ミュージックマン、スティングレイには昔EXというモデルがありました。これは日本国内向けのモデルとしてUSA同様のパーツを使って日本で作られたものです。

サウンドはUSAに劣るようなものではなく、むしろ国産らしいタイトさがよくマッチした良質なベースです。現在は廃盤になっているために中古でしか手に入りませんが、価格は5万円前後まで落ちることもあり、安価にスティングレイを手に入れたい場合にはEXを探すのもひとつの手でしょう。

スティングレイの他にも、そこから派生したいくつかのモデルを今回紹介しました。もしもスティングレイを候補に入れているのであれば、ボンゴやスターリンも検討する価値のあるベースでしょう。

この記事に登場した専門家

ベース専門店・Geek IN Box代表
嵯峨駿介さん
東京・御茶ノ水の大手楽器店にて数千本のギター・ベースのリペア、メンテナンスを経験。現在は、横浜でベース専門店「Bass Shop Geek IN Box」を立ち上げ、リペアや販売をする傍ら、様々なメディアで記事の執筆もこなす。 ※本記事の内容は嵯峨駿介個人の意見、知識を基に執筆しており、所属する株式会社ビレッジグリーン及びGeek IN Boxの総意を代表するものではありません
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