コーラス・エフェクターとはいわゆるモジュレーション系と呼ばれるカテゴリに入るエフェクターで、原音にピッチを上下に揺らしたサウンドをミックスすることで複数の音が同時になって共鳴しているような、きらびやかで美しいサウンドを作ります。ベースプレイにおいては、印象的なフレージングを手伝ったり、スラッププレイ時などに高域をエンハンスさせたりするのに非常に有効で、多くのベーシストに愛されています。
ベースに使うエフェクターとしても定番のコーラスについて、その概要やベースサウンドへの必要さなどについて解説。初心者にオススメの定番モデルや少し踏み込んだ面白いコーラスエフェクターを紹介しています。
ベースにコーラス・エフェクターは必要？
結論から言うと必須ではありません。しかし、コーラスがあるだけでフレーズには幅が出て、ベースプレイにも違いが出せると思います。実際にプロのミュージシャンが作品の中でコーラスを使うこともあるので、そのような音楽をコピーしたり、似通ったアンサンブルを作ろうとした時にはあったほうがより詰めたサウンドメイクができます。ただし、深くかけすぎるとピッチの揺れがアンサンブル自体を揺らしてしまうので注意したいですね。
かけっぱなしもOK！初心者におすすめなコーラス・エフェクター
BOSS Bass Chorus CEB-3
ローランドのジャズコーラスの系譜を受け継ぐボスのコーラスは世界的に高い人気がありますが、本モデルはそれをベース用にアレンジしたモデルです。ローフィルターを使って原音にはコーラスをかけずにベースらしいサウンドをキープして倍音のみをエンハンスさせたり、全帯域にかけて深く派手な効果を得たりすることができます。わかりやすいサウンド、わかりやすい操作性は大きな魅力で、初めての1台には間違いのない製品だと思います。
EBS UNICHORUS-SE
ベース向けにエフェクターやアンプ、キャビネットなどの多くの製品を開発しているEBSが手がけたベース用のコーラスが本モデル、ユニコーラスです。コーラスという名前ではありますが、コーラスモードのほかにフランジャーモード、ピッチモジュレーションモードを搭載した多彩なモデルです。上質なオールアナログ回路が採用されており、太く艶やかなモジュレートサウンドが得られます。
今すぐ使える！おすすめのコーラス・エフェクター
Providence ANADIME BASS CHORUS/ABC-1
日本が誇るエフェクターメーカー プロヴィデンスが製作するベース用コーラスです。ギター用としてすでに高い評価を得ているANADIME BASS CHORUSをベース用にアレンジしており、そのサウンドはすでに実績十分。モノラルアウトデザインでありながらまるでステレオアウトのように深く幻想的なサウンドは非常に特徴的。ミニスイッチによってコーラスの深さを自在にコントロール可能で、あらゆるアンサンブル、用途に対応します。
MXR M83 BASS CHORUS DLX
指折りの名門MXRが手がけたベース用コーラスがこちら。レイトやインテンシティに加えベースとトレブルのイコライザーを搭載してコーラスとしては標準以上のコントロールです。また、特徴的なのがX-OVERスイッチで、これによってコーラスがかかるのを100Hz以上のみに限定することができます。これによって100Hz以下のベースにとって重要なレンジをドライなままにキープしてベースらしいサウンドでアンサンブルを支えられます。
electro-harmonix Bass Clone
ギター用コーラスとしてカルト的人気を誇るエレクトロハーモニクス スモールクローンをベース用にアレンジしたのがこちらのモデル。ベーシックなサウンドは同様ですが、ベースとトレブルといったイコライザーを搭載してより自在なサウンドメイクが可能。さらに、X-OVERスイッチによってモジュレーションサウンドの低域をカット、原音をキープすることでベースらしいサウンドでアンサンブルを支えます。
ベースに使えるモジュレーションペダルはあまり多くありませんが、その中でコーラスは唯一と言ってもいいほどに使い勝手良くポピュラーなエフェクターです。ここぞというところでベースのフレーズを美しく響かせたいときにはこれ以上ないほどの効果的です。歪みとは異なるエフェクティブなペダルとしてコーラスを検討する方も多いとは思いますが、今回紹介したものは大きく定番のモデルと少しコアなファン向けのものです。いずれも性能的には全く問題のないものなので、ぜひ試してみてください。
初回公開日：2018年10月10日