イタリアのスパークリングワイン「スプマンテ」の特徴とおすすめ8選

イタリアのスパークリングワイン、スプマンテ。多様性が魅力のイタリアではランブルスコやフランチャコルタなどスプマンテも数多くの世界的な銘柄があり、多彩です。ここではスプマンテの特徴と有名銘柄のおすすめをご紹介します。

スプマンテの基本情報
スプマンテの有名銘柄
ランブルスコのおすすめ
モスカート・ダスティのおすすめ
プロセッコのおすすめ
フランチャコルタのおすすめ
この記事に登場した専門家

スプマンテの基本情報

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート
水木 明さん

スプマンテとは

スプマンテはイタリアのスパークリングワイン。スペルはSpumante。Spumaは泡を意味しています。有名銘柄にランブルスコ、アスティ・スプマンテとモスカート・ダスティ、プロセッコ、フランチャコルタ、他にもトレントやオルトレポー・パヴェーゼがあります。
スパークリングワイン

ガス圧の違い

イタリアではガス圧の違いで名称を分けています。ガス圧が3気圧以上のスパークリングワインは「スプマンテ」、1~2.5気圧の微発泡ワインが「フリッツァンテ(frizzante)」です。

日本ではイタリアスパークリングの総称としてスプマンテが使われていますが、ワインショップで購入される際は、ラベルにfrizzanteとあれば微発泡ですので参考にしてくださいね。

泡をつくる製法の違い

瓶内2次発酵はメトード・クラシコと言い、フランチャコルタは瓶内2次発酵で造られています。手間がかかるため高価です。

タンク内2次発酵はシャルマ方式と言い、アスティ・スプマンテや多くのプロセッコはシャルマ方式です。価格は比較的安く、ボトルごとの差がなく安定した品質を保てます。

スプマンテの有名銘柄

スプマンテの銘柄で有名なところといえば、次のようなものがあります。

ランブルスコ

イチゴやチェリーの甘い香りの赤いスパークリングワイン。サイゼリヤにあるロゼと赤の泡がランブルスコです。主な産地は、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州。平野が半分を占める州で、パルマハム、パルミジャーノ・レッジャーノなど農産物が有名です。生ハムやサラミとランブルスコはよく合います。

ランブルスコは銘柄名であるとともに品種名です。亜種により色や味わいに違いがあります。有名なのは、ランブルスコ・ディ・ソルバーラとランブルスコ・グラスパロッサ。ソルバーラ種は淡い色合いで優しく、グラスパロッサ種はしっかりした味わいです。辛口はセッコ(Secco)、中甘口はアマービレ(Amabile)、甘口はドルチェ(Dolce)とラベルに表記されています。

アスティ・スプマンテとモスカート・ダスティ

北イタリアの山岳地帯ピエモンテ州アスティ(Asti)地区で造られます。モスカート・ビアンコ種というマスカットのブドウを使った、フレッシュでフルーティーな低アルコールのスパークリング・ワインです。

「アスティ・スプマンテ」は大量生産型のスパークリングワインでアルコール度数が約8%。微発泡のタイプは「モスカート・ダスティ(Moscato d'Asti)」という銘柄で格上です。収穫してすぐワインにするため、マスカットを食べているかのような、くだもの感に口の中が満たされます。アルコール発酵を途中で止めるため、自然なブドウの甘さが残り、アルコール度数が約5%と、お酒が弱い人にも優しいワインです。
マスカット

プロセッコ

イタリア北部の主にヴェネト州で造られる、軽やかで爽やかなスパークリングワイン。リンゴ、洋梨などのフルーティーな果実味が特徴のグレーラというブドウ品種が主体です。さっぱりゴクゴク飲めて、近年シャンパンを超える出荷量で人気です。ビール代わりに、前菜と合わせて気軽に楽しめるのも魅力です。値段も2千円台で秀逸なものが多く、アウトドアで飲むのにぴったりです。

フランチャコルタ

ミラノがあるイタリア北部ロンバルディア州のスプマンテ。シャンパーニュと同じ製法の瓶内2次発酵で、瓶内熟成期間も18か月以上と規定があります。品種もシャンパーニュと同じシャルドネ、ピノ・ノワール(ピノ・ネーロ)を使用しているため、泡好きに人気です。コクと奥行き、余韻もしっかりしていて、飲みごたえがあり、ディナーのお供にふさわしいです。

カ・デル・ボスコ、ベラヴィスタ、カヴァッレーリが3大フランチャコルタ。入門編におすすめです。
イタリア・ロンバルディア州の風景

ランブルスコのおすすめ

キアルリ ランブルスコ・ヴィニェート・チャルディーニ グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ NV

創業1860年の老舗が造る偉大なランブルスコ。1次発酵のみで瓶詰めするためフレッシュな果実の味わいが楽しめます。グラスパロッサ種の厚みのある味わいに、ランブルスコのイメージが変わる1本です。プロシュート(生ハム)と一緒に味わうと、微発泡が脂っぽさを流してくれます。

キアルリ ランブルスコ・ヴィニェート・チャルディーニ グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ NV

メディチ・エルメーテ コンチェルト・ランブルスコ・レッジアーノ・セッコ

歴史でも有名なメディチ家の流れをくむメディチ・エルメーテ。「コンチェルト」は単一畑でブドウの収量を抑えて造る凝縮感のあるランブルスコです。イタリアのグルメの権威ガンベロ・ロッソの最高評価トレ・ビッキエーリ(Tre Bicchieri、3グラスの意味)を8年連続で獲得しています。2千円以下で本格的なランブルスコを楽しめておすすめ。辛口(セッコ)です。

メディチ・エルメーテ コンチェルト・ランブルスコ・レッジアーノ・セッコ

モスカート・ダスティのおすすめ

ラ・スピネッタ ブリッコ・クアリア モスカート・ダスティ

イタリアワインに詳しい人に「モスカート」のおすすめを聞くと必ず出てくるスピネッタ。モスカート・ダスティの高評価で世界に名を轟かせました。マスカットの甘やかで品の良い果実感、自然で優しい甘さは、日々の疲れを癒してくれる泡です。マチェドニア(フルーツのシロップ漬け)やパウンドケーキなどデザートによく合います。

ラ・スピネッタ ブリッコ・クアリア モスカート・ダスティ

フォンタナフレッダ モスカート・ダスティ レ・フロンデ

赤ワイン「バローロ」で有名なフォンタナフレッダ社。どの銘柄を飲んでもハズレがない高品質な生産者として、イタリアワインのプロに愛されています。コストコでは、アスティ・スプマンテが販売されていて、定番人気です。

フォンタナフレッダ モスカート・ダスティ レ・フロンデ

プロセッコのおすすめ

カルペネ・マルヴォルティ プロセッコ・コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ エキストラ・ドライ

爽やかな果実のフルーティーさを最大限に生かしたシャルマ方式(タンク内2次醗酵)。いつでも冷蔵庫に入れておきたい軽やかな1本。

カルペネ・マルヴォルティ プロセッコ・コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ エキストラ・ドライ

レ・ベルトレ プロセッコ・ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ・ブリュット

コスパと高品質でリピーターの多いベルトレ。辛口ですが糖を残し、プロセッコのリンゴのようなフルーティーさが引き立つ味わいになっています。

レ・ベルトレ プロセッコ・ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ・ブリュット

フランチャコルタのおすすめ

カヴァッレーリ フランチャコルタ・ブラン・ドゥ・ブラン ブリュット・ゼロ ディ・ズッケロ NV

3大フランチャコルタのカヴァッレーリ。白のスパークリングはすべてシャルドネで、シャルドネにこだわった生産者です。ブドウの出来が良いため、補糖なし(Zero Di Zucchero、Zuccheroは砂糖の意味)で造られたスペシャルなキュヴェ。しっかりした泡立ちで、華やかです。

カヴァッレーリ フランチャコルタ・ブラン・ドゥ・ブラン ブリュット・ゼロ ディ・ズッケロ NV

ヴェッツォーリ フランチャコルタ・サテン

ワイン通に人気の伝統的な生産者ヴェッツォーリ。フランチャコルタの中の良質な区画エルブスコに畑を持っています。シャルドネのみを使用した「サテン」。サテンはガス圧も低く柔らかいクリーミーな泡が楽しめます。リンゴや柑橘のような爽やかさにナッツの風味があります。

ヴェッツォーリ フランチャコルタ・サテン

スプマンテの特徴とおすすめをご紹介しました。今回は有名銘柄をご紹介しましたが、地品種で造られたスパークリングワインも多くあります。スプマンテを楽しむときには、郷土料理からエッセンスを得ると、つけ合わせの幅が広がります。北イタリアなど山岳地帯のワインは山で造られるチーズなど、南はトマト、オリーブオイル、魚介と合うなど、大まかに使い分けてもいいでしょう。

この記事に登場した専門家

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート
水木 明さん
2012年、日本ソムリエ協会ワインエキスパートを取得。ワインショップやインポーターで経験を積むとともに、多くのインポーターのワインを幅広く飲んで、情報収集している。特に初心者がワインで困った時にアドバイスしてきた経験から、実用的なコツを伝えることを心がけている。
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