ポータブル電源の世界的ブランド「BLUETTI(ブルーティ)」が2023年に発表した最新モデル「AC180」。最大出力2700Wのキャンプ用としては十分な強力パワーと防水防じん仕様などの機能性の高さ、約17kgという持ち運べる重量が魅力のポータブル電源で、発表直後から日本国内でも大きな注目を集めています。今回はそんな「AC180」をBest One編集部が徹底レビュー。キャンプ用のポータブル電源がほしいという方は必見です!
BLUETTIとは?
BLUETTI(ブルーティ)は、世界的な蓄電池市場のリーディングカンパニー、パワーオークグループ(中国・深圳)が手掛けるポータブル電源のトップブランドです。
厳しい品質管理の下、安全性と安定性を最優先にしたポータブル電源を開発。その品質の高さが世界中で評判になっており、日本国内では、BLUETTI JAPAN(ブルーティジャパン/本社・神奈川県)が販売を担っています。
ラインナップが豊富なブルーティのポータブル電源の中でも、人気モデルとして知られるのが携帯性に優れた「
EB3A」や大容量の「AC200P」です。コンパクトで手軽に使えるEB3Aはキャンプ初心者に評判のモデル。一方、本格派ポータブル電源のAC200Pは災害時など、予備電源としての活用も考える方を中心に人気を獲得しています。
今回の最新モデル「AC180」は人気の2モデルのちょうど中間にあたる機種で、キャンプ用途を主目的としながら、手軽さと本格派の“いいとこどり”をしたいという方におすすめです。
Bluetti 「AC180」の商品情報
BLUETTI(ブルーティ)
BLUETTI AC180
参考価格:
128,000
円
キャンプや車中泊におすすめのパワフルモデル
ブルーティの最新ポータブル電源「AC180」は、定格出力1800W、最大出力2700Wのハイパワーぶりと、重さ約17kgの携帯性が魅力の1台。キャンプや車中泊に持ち運びやすく、ホットプレートなど、高出力の調理家電も安心して使えます。
最大で10個の機器の同時接続が可能。使用後や使用中にバッテリーの減りが気になったときは、ACコンセントはもちろん、ソーラーパネルや車からバッテリーを充電することもできます。
また、発火のリスクを抑えつつ、長時間使える「リン酸鉄リチウムイオン電池」を内蔵しているほか、ポータブル電源の寿命を指し示す「充放電サイクル回数」も3500回以上と、安全性・耐久性の面でも優れています。泊まりありのキャンプや車中泊での使用をメインに考えているキャンプ初心者におすすめのモデルです。
価格情報は以下に表示された日付/時刻の時点のものであり変更される場合があります
本商品の購入においては、購入の時点で上記各サービスに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます
容量 |
1152Wh
|
定格出力 |
1800W
|
重量 |
17kg
|
サイズ(cm) |
34×24.7×31.7cm
|
2023年、BLUETTIの新製品「AC180」が登場!
2023年発表の最新モデル「AC180」は人気の「EB3A」よりパワフルで、「AC200P」よりコンパクト
ポータブル電源のトップブランドとして、世界中から高い支持を集めるブルーティが2023年2月の国際エネルギー環境見本市「Genera 2023」で新たに発表した最新モデルが「AC180」です。
注目したいのが最大出力2700Wのハイパワーと17kgの本体重量。これまで人気を集めてきた大容量ポータブル電源「AC200P」よりも携帯性に優れ、コンパクトな「EB3A」よりもパワフルなのが特徴です。さらに、専用アプリで操作ができたり、パススルー充電・UPS機能を搭載していたりと、使い勝手のよさも魅力。キャンプや車中泊の初心者で、「EB3Aでは少し心もとないけど、AC200Pほどの本格派は必要ない」という方にうってつけのモデルです。
「AC180」のスペックを人気モデル「EB3A」「AC200P」と比較!
ここでは最新モデル「AC180」のスペックを、ブルーティを代表する人気モデル「EB3A」「AC200P」のスペックと表形式で比較していきましょう。
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AC180 |
EB3A |
AC200P |
おすすめの人 |
・泊まりのキャンプや車中泊でも安心して使えるポータブル電源がほしいキャンプ初心者
・調理家電など、高出力の家電も動かしたい方
・防水、防じん仕様のポータブル電源がほしい方
|
・日帰りキャンプに使いたいキャンプ初心者
・携帯性に優れたモデルがほしい方
|
・キャンプはもちろん防災用としても安心して使えるモデルがほしい方
・ほとんどの家電製品を接続できるパワフルなポータブル電源がほしい方
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バッテリー容量 |
1152Wh |
268.8Wh |
2000Wh |
容量の拡張 |
× |
× |
○ |
搭載バッテリー |
リン酸鉄リチウムイオン電池 |
リン酸鉄リチウムイオン電池 |
リン酸鉄リチウムイオン電池 |
定格出力数 |
1800W |
600W |
2000W |
最大出力数 |
2700W |
1200W |
4800W |
出力ポート数 |
10 |
9 |
17 |
出力ポートの種類 |
AC100V/18A:4
DC出力ポート:1
ワイヤレス充電パッド(5W/7.5W/10W/15W):1
シガーソケット(12V/10A):1
USB-C:1
USB-A:2
|
AC出力ポート:2
USB−C(100Wまで対応):1
ワイヤレス充電パッド:1
USB−A:2
5521DC出力ポート:2
シガーソケット:1
|
ACコンセント:6
DC(12V/25A):1
DC(12V/10A):1
DC(12V/3A):2
USB-A(5V/3A):4
PD2.0 60W Type-C高速充電(5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3A):1
ワイヤレス充電(最大出力15W):2
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入力ポート |
AC:最大1440W
DC:最大500W
※ソーラーパネル充電最大500W
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AC充電:100V/最大430W
ソーラーパネル充電:12V-28V/最大200W
カー充電:12V/24V
デュアル充電:430W(AC+ソーラーパネル)
|
ACアダプター充電:500W
シガーソケット充電:12V/24V
ソーラーパネル充電:35~150V/最大700W、最大12A
発電機:ガソリン、プロパン、ディーゼル
鉛蓄電池:最大8.2A
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充電時間(本体) |
最短45分(80%) |
最短30分(80%)
最短1時間(フル)
|
最短3時間半(フル)
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充放電サイクル回数 |
3500回以上 |
2500回以上 |
3500回以上 |
充電方法 |
ACコンセント
ソーラーパネル
シガーソケット(カーチャージ)
|
ACコンセント
ソーラーパネル
シガーソケット(カーチャージ)
|
ACコンセント
ソーラーパネル
シガーソケット(カーチャージ)
発電機
|
防水・防じん |
○ |
× |
× |
UPS機能 |
○ |
○ |
× |
専用アプリ対応 |
○ |
○ |
○ |
充電温度 |
0~40℃ |
0~40℃ |
0~40℃ |
使用可能温度 |
-20~40℃ |
‐20~40℃ |
0~40℃ |
保管温度 |
-20~40℃ |
0~40℃ |
-10~45℃
|
サイズ |
34×24.7×31.7cm |
25.5×18×18.3cm |
42×28×38.6cm |
重さ |
17kg |
4.6kg |
27.5Kg |
価格(税込み) |
14万8000円⇒12万8000円(公式サイトからの予約で2023年6月8日~6月22日限定割引) |
3万9800円⇒2万9800円(公式サイトからの購入で25%オフ)
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21万9800円⇒16万9800円(公式サイトからの購入で22%オフ)
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AC180は最大出力が2700W(定格出力1800W)と、泊まりありのキャンプや車中泊に十分な出力数を備えているのが特徴。AC200P(最大出力4800W/定格出力2000W)よりは低めながら、EB3A(最大出力1200W/定格出力600W)では使用するのが厳しいホットプレート、電子レンジなどの高出力家電も使えます。
さらに3機種の中では唯一、防水・防じん仕様となっており、キャンプ中に急に雨に見舞われたときなども安心です。重量は17kgと携帯性の面ではEB3A(4.6kg)に劣るものの、AC200P(27.5kg)よりは軽く、両手で持ち上げて運べる程度の重さ。キャンプ・車中泊用に、AC200Pよりも手軽に使えて携帯性に優れたポータブル電源をお探しの方におすすめのモデルです。
(※スペック、価格等はいずれも2023年5月時点での情報です)
「AC180」レビュー|キャンプや車中泊に安心のモデル
AC180はキャンプや車中泊であると重宝するポータブル電源
キャンプや車中泊などのアウトドアシーンで重宝しそうなブルーティの最新モデル「AC180」。今回、Best One編集部で実物をチェックしてみたところ、サイズ34×24.7×31.7cm、重さ17kgの本体はややずっしり感はあるものの、大人の男性はもちろん、女性でも両手で1人で持ち上げられる大きさでした。
さらに、今回はAC180にホットプレート、IHコンロ、ドライヤー、プロジェクターなどキャンプシーンであると便利な家電をつないで、その性能や安全性を調査。「AC180の実力がどの程度か気になる!」という方はぜひここからのレビューを参考にしてみてください。
ホットプレートなど高出力の調理家電も問題なく使える!
ホットプレートやIHコンロをつないで使えるかを調査
キャンプなどのアウトドアシーンで、あると便利な調理家電がホットプレートやIHコンロ。今回はAC180に、消費電力1000Wのホットプレートや、最大消費電力1400WのIHコンロを実際につなげて、料理が作れるかを試してみました。結果、IHコンロでお湯を沸かして、インスタントラーメンを調理する、という工程は難なくクリア。さらに、最大出力が2700Wになる電力リフトモードなら、ホットプレートを中火~強火にしながら、IHコンロでお湯を沸かすことも可能でした。
オーバーロード状態になると給電がストップ、安全に使用できる
最終的に、ホットプレートやIHコンロで調理しつつ、USB接続のスピーカーで音楽を流し、さらに炊飯器(消費電力400W)の「炊飯スイッチ」も入れたところ、AC180の許容範囲を超え自動停止状態に。過負荷を示す「OVERLOAD(オーバーロード)」の表示とともに、すぐに給電がストップし、使用中の安全性の高さを証明する結果となりました。
なお、ホットプレートとIHコンロが中火、炊飯器が保温の状態なら、問題なく動かすことができるため、大人2~3人のキャンプや車中泊で、食べれる量の料理をする分には十分なレベルと言えます。防水・防じん性能も備わっており、調理中や食事中に水などがこぼれてしまった場合でも安心。キャンプの夕飯は2~3人でホットプレートを囲みながら、音楽をかけてわいわい楽しみたい、という方におすすめのポータブル電源です。
ドライヤーをかけながら、充電中のタブレットで動画観賞も!
ドライヤーをターボモードで使用しても余裕を持てるパワフルぶり
キャンプでもお風呂に入りたいという方や、キャンプ場のシャワールームを使いたいという方の場合、必要になる家電の一つがドライヤーです。ドライヤーは比較的、消費電力が高めのものが多いことから「ポータブル電源で動かすのは難しいのでは?」と感じている方もいるかもしれません。
今回、Best One編集部では、最大1200Wのドライヤーをターボモードで使用しながら、ヘアアイロンを100℃に温め、さらに充電ケーブルをつなげたタブレットでWebサイトや動画をチェックするという状況で、問題なく使えるかをテストしました。AC180の表示を見ると、出力が1200W近くになっているものの、定格出力1800Wまでは比較的余裕のある数値。オーバーロードの心配もなく、安心して使用できました。
ゲーム機+プロジェクターをつないで、複数人で楽しむのもおすすめ
AC180はゲーム機とプロジェクターで、わいわい楽しみたいときにも便利
キャンプでの新たな楽しみとして人気なのが、プロジェクターを使っての映画鑑賞やテレビゲームです。今回、Best One編集部では、AC180にプロジェクターとゲーム機をつないでゲームをプレイしたり、プロジェクターとパソコンをつないで動画を流したり、といったテストも。約30分間の使用で電力消費は18%ほどで、ちょっとしたゲームや動画も安心して楽しめるという結果でした。
キャンプの夜は「焚き火が定番の過ごし方」というイメージもありますが、後片付けが大変な面もあり、難易度はやや高め。夕飯を食べたあと、就寝までの時間は静かに映画を見て過ごしたり、ゲームに熱中したりといった過ごし方をしたい方にとって、AC180は使い勝手のよいポータブル電源です。
専用アプリならさらに効率よく使える!
専用のスマホアプリなら、AC180の現状が一目でわかるのに加え、さまざまな操作が可能
ポータブル電源を初めて利用する方の場合、使い方に不安があるという方も多いはず。AC180はブルーティの専用アプリで操作が可能な点も魅力の一つです。Best One編集部でも、実際に専用アプリをインストール。出力パワーを上げる「電力リフトモード」や、充電時の稼働音を抑える「静音モード」などをアプリで簡単に設定することができました。
なお、静音モードでの稼働音は公式では40dB以下と、図書館や静かな住宅地と同レベルの騒音値が示されていましたが、編集部で騒音計を使って測定したところ、さらに低めの36dBという結果に。実際に稼働音は全く気にならないレベルでした。
また、アプリ画面を使うと、AC180の状態が一目で分かりやすいのもポイント。Bluetooth接続の範囲内であれば、スマホの画面上で簡単に使用電力量やバッテリー残量などを確認できるほか、必要に応じてアプリでAC180の電源を切ることも可能です。AC180を使用するなら、専用アプリもフル活用するのがおすすめです。
「AC180」レビュー|防災・節電目的にもあると便利
AC180は災害時に家電を使用したいときにも重宝するアイテム
ポータブル電源はキャンプ用としてだけでなく、日々の節電やいざというときの防災用としても役立つアイテムです。今回、Best One編集部ではフル充電のAC180を数日間、室内で保管。バッテリーの減りがどの程度かも調べてみました。結果として、2日間の放置ではバッテリー残量は100%のまま、5日間でも99%とわずか1%の減り具合でした。
また、バッテリー残量が38%まで減ったAC180をACコンセントで充電したところ、30分ほどの短時間で100%まで回復。もちろん、災害時は電源そのものが確保できないケースも多めですが、AC180の場合はソーラーパネルを使っての充電や、シガーソケットでの車からの充電にも対応しているため安心です。
パススルーとUPSの2つの機能を搭載しているため、急な停電時も安心
キャンプ用途での使用テストでも証明された通り、AC180は多くの調理家電が使えたり、タブレットやスマホ、パソコンの充電ができたりと、いざというときの頼りがいも十分。加えて、本体の充電と家電への電力供給を同時に行う「パススルー充電」と、パススルー充電中に停電が発生した場合でも家電への給電が止まらない「UPS」の2つの機能を備えているのもポイントです。
日本語で「無停電電源装置」を意味するUPS機能なら、停電などでAC180本体への充電がストップした状況でも、自動で内蔵バッテリー出力へと切り替え。ポータブル電源につないだ製品への給電遮断を防ぐことができます。キャンプだけでなく、災害時などの防災用途でより安心してポータブル電源を使うために、必要不可欠な機能です。
まとめ
ブルーティの最新モデル「AC180」の性能を実際の機器を使ってテストし、その結果を紹介しました。キャンプ人気や防災意識の高まりとともに、注目が集まっているポータブル電源。携帯性と強力パワーを両立したAC180は使い勝手もよく、これからキャンプや車中泊に挑戦したいという初心者におすすめのモデルです。
本格的なポータブル電源は数十万円以上の価格が主流なのに対し、AC180は比較的手軽に購入しやすい価格なのもうれしいポイント。気になる方は、今回のレビューも参考にしながら、ぜひ購入を検討してみてください。